9月 292017
 

みなさんこんにちは!M2の朝倉です.

 

かねてより,木村研究室も開発に携わってきた,アストロスケール社の微小デブリ観測衛星「IDEA OSG 1」が9月20日に一般公開されました!

 

岡田CEOとIDEA OSG 1 提供:アストロスケール

 

記事も続々,公開されています.

宇宙に散らばる微細ごみを探せ VBが調査衛星を初公開(日本経済新聞)
アストロスケール、超小型の微小宇宙ゴミ計測衛星 12月にも打ち上げ(日刊工業新聞)
世界初の宇宙ごみ観測衛星 宇宙VBのアストロスケールが公開(SankeiBiz)

 

 

それでは早速,「IDEA OSG 1」と木村研究室が開発してきたものについて綴りたいと思います.

 

まず,IDEA OSG 1には,スペースデブリモニタ(以下,SDM)という特殊な膜が2枚搭載されています.下図がIDEA OSG 1本体で,正面左側が2枚あるSDMのうちの1枚です.上下にピンと張られています.

 

IDEA OSG 1 提供:アストロスケール

 

SDMには50μm幅の導線が100μm間隔で3000本ほどプリントされていて,それぞれの導線には番号が振られています.導線に電流を流すことで破断の有無を検知します.

宇宙ゴミがSDMを貫通すると,貫通した部分の導線が切れます.電流が流れない導線の「番号」と「本数」を確認することで,SDMを貫通した宇宙ゴミの大きさを知ることができます.

また,SDMを貫通した宇宙ゴミは衛星内に蓄積されるようになっているので,SDMによる宇宙ゴミの観測と同時に宇宙のお掃除も行うことができます!(まさにSpaceSweeper!)

 

IDEA OSG 1では,SDMの状態を定期的に記録しつつ,そのときの軌道位置や姿勢状態もIDEA OSG 1内のコンピュータに記録します.記録したデータを地上局に送信することで,軌道上のいつ・どこで・どんな大きさの宇宙ゴミがあったのかを知ることができます.

 

木村研究室では,SDMの破断状況の定期的な確認や軌道位置の記録,姿勢制御や地上とのやり取りを行うための,IDEA OSG 1搭載用コンピュータの開発を行いました.付随して,姿勢制御ロジックの検証や運用訓練を行うためのシミュレーション環境の構築なども行いました.

 

また,「SDMの破断状況やSDM本体の健全性を確認したい!衛星内に蓄積した宇宙ゴミを目で見たい!」という要求に応えるため,SDMの裏面全体を撮影するための広角カメラを開発しました.

 

さらに,「衛星の外側も撮影したい!地球を撮影したい!」という要求もでてきて,下の写真のような超小型カメラも実験的に搭載することにしました.超小型かつ超軽量であることから,衛星のリソースを圧迫することなく搭載が可能でした.

 

超小型カメラ 朝倉撮影

 

このように,IDEA OSG 1には木村研究室の開発品が多数搭載されております.

 

開発に際して,膨大な試行錯誤や困難,紆余曲折がありました.本が数冊書けそうです.

アウトプットしたいことはたくさんあるのですが,アツい男だとバレたくないのでこれくらいに留めておきます.

 

開発が完了して,ホッと息をつけるのも今のうちです!

IDEA OSG 1の打ち上げまで,運用検討や運用訓練を行ったり,打ち上げ後は定常運用まで見守る必要があるなど,やるべきことはたくさんあります!

 

以上!