超小型宇宙用デジタルカメラ”MICAM”

Mission Concept

小惑星のような小さな天体は、地球のような大きな天体と比べると、「天候」・「地殻変動」・「重力による変成」等の環境変化がほとんど起きないことが特徴です。つまり、小惑星は何億年もの間、“そのまま”の状態である可能性が非常に高いです。そのような小惑星を探査することで、太陽系の起源に迫ることができると考えられています。このような探査ミッションを行うために、日本では“はやぶさ2”プロジェクトがJAXAを中心に計画されており、サンプルリターンによる惑星探査が予定されています。

またはやぶさ2には、国内の大学コンソーシアムを中心に開発された超小型の小惑星探査ローバ”MINERVA-II2”の搭載が予定されています。実は、このMINERVA-II2には、東京理科大学木村研究室によって開発された超小型宇宙用デジタルカメラ”MICAM”の搭載が予定されています。この超小型カメラによって、視覚的な観点から小惑星表面における惑星探査が予定されています。ローバに搭載された2台のMICAMによって、小惑星表面の高解像度画像を取得し、太陽系の起源に迫る貴重な情報の取得を目指します。

 

超小型小惑星探査ローバ ”MINERVA-II2”

はやぶさ2はサンプルリターン以外にも様々なミッションが予定されておりますが、その1つに超小型小惑星探査ローバ”MINERVA-II2”の搭載が予定されています。MINERVA-II2は、小惑星表面の移動を行うことで惑星探査に必要な技術の実証を行います。移動方式には、小惑星表面を飛び跳ねながら移動する”ホッピング移動方式”が採用されています。これにより、小惑星表面の微小重力下における移動が可能となっています。このMINERVA-II2に搭載された2台のMICAMによって、小惑星表面の複数地点における撮像ミッションが可能となります。

MINERVA-II2

MINERVA-II2

 

超小型宇宙用デジタルカメラ ”MICAM”

木村研究室の技術によって開発されたMICAMは、縦46mm、横47mm、高さ27mm、総重量40gという手のひらサイズの超小型カメラユニットを実現した、超小型宇宙用デジタルカメラです。イメージセンサーには、2010年に実施されたソーラー電力セイル実証機IKAROSにおける撮像ミッションでも使用された実績あるものを使用しており、高い信頼性を有しています。さらに、メガピクセルサイズ解像度の撮像も可能であり、小惑星表面の高解像度画像の取得が期待されています。

MICAM 写真 MINERVA-II2搭載カメラ

MICAM

 

参考文献

第57回宇宙科学技術連合講演会
第58回宇宙科学技術連合講演会
第65回IAC(国際宇宙会議)