【CanSat 2026】 チーム「ARGUS」が製作した機体を紹介します!

こんにちは!チーム「ARGUS」の構体班です。
本記事では「ARGUS」が製作した機体の概要、構成、工夫点や特徴について紹介します!
機体概要
ARGUSのCanSatは2輪走行型のローバーです。骨格にはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を採用し、軽量かつ高剛性な機体を実現しました。この骨格に回路基板・タイヤ・パラシュート・展開機構といった各ユニットを搭載しています。質量1050g以下というレギュレーションの中で、走行性能と耐衝撃性の両立を目指して設計しました。

今回は機体の主な3つの構成要素について詳しく説明していきたいと思います!
機体の主な構成
- タイヤ
- パラシュート
- 展開機構
タイヤ
ARGUSのCanSatは2輪走行型のローバーであり、タイヤは走行性能を大きく左右する重要なパーツです。能代の草地からARLISSの砂漠まで、さまざまな路面を安定して走破できることを目指して設計しました。

タイヤはすべて3Dプリンタで製作しています。素材には「TPU」というゴムのように柔軟な樹脂を採用しました。TPUは弾性と衝撃吸収性に優れており、パラシュート降下後の着地衝撃にも耐えられるタフな素材です。
タイヤの内部には「S字スポーク」と呼ばれる構造を採用しました。着地時の瞬間的な衝撃をスポーク全体でしなやかに吸収し、機体内部の電子回路やセンサへのダメージを軽減する役割を果たします。

タイヤの外周には「ラグ」と呼ばれる突起が12個配置されています。ラグはV字型に設計しており、接地面積を大きくすることでグリップ力を高め、草地や砂地でのスタック(走行不能)を防ぎます。また、ラグの内側には後退時のスリップを防止するための小さな突起も設けており、前進・後退どちらの方向でも安定した走行ができるよう工夫しました。
パラシュート
パラシュートは、機体がロケットから放出された後、落下速度を十分に低下させながら安定した姿勢で、安全に機体を地面に着地させるための機構です。

パラシュートは、主に「キャノピー」「ロッド」「スイベル」「機体収納部」から構成され、それぞれの部分を紐で接続しています。キャノピーは空気を受ける布の部分で、落下中に大きな空気抵抗を発生させ、姿勢を安定させながら減速させます。ロッドはキャノピーと機体をつなぐ紐であり、キャノピーにかかる力を機体へ伝える役割をもちます。スイベルは、パラシュートや機体が回転したときに紐のねじれを逃がし、絡まりを防ぐために使用します。これらと収納部が紐でつながれパラシュート機構となります。

今回のパラシュートは、平面型ではなく、立体的な六角錐形状を採用しました。立体六角錐型は空気抵抗が大きいため、終端速度を小さくすると同時に、開傘時の衝撃を小さく抑えることができます。キャノピーは6枚のゴアと呼ばれる布パーツを縫い合わせて作成しました。また、キャノピー中央にはスピルホールという穴を設け、キャノピー内の空気を一部逃がし、落下中の揺れを抑えたり、開傘時の急激な衝撃を緩和できるようにしました。
展開機構
自撮りミッションのための自撮り棒を展開する機構を紹介します。自撮り棒にはコンベックスの金属テープを用います。筒形の部品の内部に巻き取って収納し、コンベックスに圧着したローラを回転させることで展開・収納します。ローラにはゴム製のOリングを取り付けてあり、摩擦が大きくなるようにしています。

省スペース化のためにベース基盤中央のタイヤ用モータの下側を金属テープが通るようにしています。

また、先端に無線カメラを取り付けるためのパーツを作りました。接着剤なしでも頑丈に取り付けることができます。
各部品は3Dプリンタを用いて作成しています。CADで部品の設計を行い、実物にして検証します。そして、問題点があれば修正し、また検証をすることを繰り返します。アイディアを形にすることや思いがけない問題点を発見すること、それをまたアイディアで解決することがとても楽しいです。
このように、それぞれのパーツの形状、寸法、材料などが、試行錯誤を繰り返しながら慎重に選定され、ミッション成功に向けた一つの探査機が完成します!
次回は、探査機の中身である電子機器に注目し、その動作を確かめる初期段階の試験「BBM試験」についてご紹介します。ぜひご期待ください!
執筆者
B4 嵐勇人、小川太知、藤波俊介